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われわれの歴史がたどりうる5千年の歴史の背後に、人類のことばを発見したという、より広い歴史をたどるならば、われわれは〇万年の、より深い歴史を顧みなければならなくなるであろう。

この問題は英語でも數学でもありませんでしたが、私は『それを蒲燒とよむので、鰻の料理のことだ、それはうまいものだよ』と叮嚀に教へたことがありました。その當時蒲燒を知らなかった若い学生は、その後役人になつて、鰻のぼりにだん々出世して、そこらを泳ぎまはつているのも思ひ出の1つです。

『自分で自分がわからないわ。』

結城小峯文書に8幡庄として載せてある。これの如く北は津輕のはて迄も、鎌倉の政令に服して居ったのであるからして、

もしそうだとすると、文学のモラルといえば、心理キャピタゼーションに於ける倫理のようなものになったり、内省的なヒューマニズム文学のことになったり、し兼ねない。或いは世界が何かモラルというもので出来ているかのようなモラリズム文学のことにもなり兼ねない。だからもしモラルを性的な本質のものだとすれば、汎セクシュアリズムともいうべきものになる[これは今日日本で流行っている]。……人生は生産機構から解明される代りに、性衝動から説明されたり、人間性の展開とされたり、身辺心理の短篇集になったりする。これではモラルは人生のうわ澄みみたいなものに過ぎなくなる。事実モラルという文学用語は直接そういうものを思わせるに充分だ。

現代の○○運動は現代インテリと直接関係があるのではなくて、実は現代の小市民層に直接関係しているのだ。そこで『ひとのみち』に見られるような、あまり上品でない教義や行為が、最も有力になるわけなのである。その徹底した家庭的エロティシズムなどはたしかにインテリ向きではなくて、小商人向きなのである。それから『生長の家』は本を読むことが大事な契機になっているし、精神キャピタゼーション的ロジックも学者の如くではなく権威あるものの如くに中々鋭いから、少なくとも相当教育があるかまたは相当頭がなくては這入りにくい。これは確かにある層のインテリに向いている。ところが指導者谷口が、精神治療を行った実例を枚挙するのを見ると、いずれも近代生活をなし得る程度の小市民の日常生活からの引例なのである。お神さんや女房はあまり出て来ないが、良家のマダムは沢山出て来る。子供の学校の成績や入学試験で夢中になっているマダム達が沢山出て来るのである。……それから『真理運動』の賛成者を統計で見ると、商人の次にはサラリーマンであって、シーマールス的教養のあるインテリ専門かと思うと、必ずしもそうではなくて、単に小市民層向きだといった方が当っているようだ。勿論サラリーマンは範疇として−『範疇として』−はサラリーマンであって範疇としてのインテリゲンチャではないのである。

両親と妹とが共謀して日大生を謀殺したというセンセーショナルな事件がかつて起きた。社会では両親はいつも息子や娘を可愛がるものであり[従って子供は親孝行をする義務があるというところへ行くのだが]、妹は女で年下なのだからいつも兄を大切にするものだと決めてかかっている。つまり家庭は少なくとも相愛し合った親子関係が中心で出来ていると仮定している。そこでこの事件は極めて大きなショックを、世道人心に与えたわけなのだ。

当然現われるに相違ない健全な連想力−『健全な連想力』−によって、関心と関心との間の関係が追求されるに相違ないから、関心体系の振幅は自然と肥りながら拡大して行く筈だ。そうすれば未知のものに就いても、夫々の体系に相応しい見当づけ−『見当づけ』−が行なわれるに相違ないのである。この見当づけの探照燈の下に照らし出された新しいものは、新しい関心対象に値いするものとして、初めて発見−『発見』−されることになるわけだ。情意上の見当づけ・見透し・[予見・先見]というものが、新しい意欲を動機するのである。夫が新鮮な関心・興味というものだ。

『先生。』

最近、特に満州国独立事件を標識として、日本社会の日本的特色がヒステリカルに絶叫され、その結果教育も亦多分に漏れず国粋化されて来た。これが反コンミュニズム政策の必要からであることはいうまでもないが、従って学校に於ける○○教育の必要も叫ばれるに至ったし、読本内容の国粋的な改纂も試みられた。音楽の嚮導学校−『嚮導学校』−である上野の音楽学校[これは多分に社会教育政策的意義を有った学校だ]にさえ邦楽の正教授が出来上った。だがこうした教育の国粋化、つまり教育の半封建制的方向転換も、学校教育自身の伝統から生じて来たのではなくて、社会全般の思想的反動から結果したのである。かつて森有礼時代の文部大臣は社会の建設に対して嚮導的な意義を有っていたが、その後文相は大臣としてはむしろ不名誉な伴食大臣ということになって了った。最近では文部大臣は軍人教育の1種の補助官の慨さえなくはない。

止むを得ずそのまゝ隣家よりボロ々の野良着を借り出し棕櫚の枯葉を被り、泣き出したいような心地になつて、プレツケツケツリス々、ギヤウ々……と叫びながら会場に駆けつけると、歌で意味を知つている村人は、非常に拍手して僕を迎へ、娘共は皆なラウデンデラインになりたがつて、

『惜しいことをしたね、見返しに乞好評と書いて置けばよかったのに。』

しかし何か独自の著述をやるだけの自信はさすがになく、まあ飜訳ぐらいならと思ったのである。ただそれぐらいのところだったので、随って、吉村氏への用件は、頼む方も聞く方も、いい加減な数語で済んだ。その後は雑談で、

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